昔から、ひとつのものごとに向き合って1つ1つを解決していくタイプではなかった。
多くの人が考えることをまとめ、こっちに向かうのがいいんじゃない?という提案をして人を「導く」ことが好きだった。
好きだっただけである。得意なわけじゃない。
ひとつのことに集中できないのはコンプレックスでもあったので、それを克服するために、スペインでギター修行をした。音楽院でギターを1年間習った。悪くない選択だったと思う。ひとりで生きる厳しさもしり、人の温かさも知った。ギターもある程度うまくなった。そして、自分は職人気質じゃないことが明確になった。
職人のことは好きである。自分もなれるものなら、なりたい。
でも、本当に好きなのはadministratorである。
コンサルとも違う。現場の人に寄り添いながら、「正しい」方向に導く。スムーズに進めるように。
残念ながら、私が働く業界でまだadministratorとして地位は確立されていない。専門的な職業が必ずCEOになり、それを支えるひとも同専門職である。
現場が世界を動かすので、悪いことではない。ただ、日本は専門家を育てるのと同様に、もっとadministratorを育てるということをしてもいいのではないかと思う。
仕事はひとりではできない。必ず人を介する。たとえテクノロジーが発達したとしても。そのとき、専門性を橋渡しする専門家が必要と感じる。現場にコミットした形で、実現可能性をさぐりつつベストな選択ができるように。
そんなものは習わなくてもできる、という人もいる。たしかにできる。そうやって日本は成長してきた。しかし、世界はもっと成長している。専門性をかけあわせて。
ひとつに固執せず、常にフラットに、コミュニケーションを促進させる専門家。それが私の働く業界のadministratorではないか。
私はそんな仕事をしてる。