凛として

小迫正実(Masami Kosako)個人のブログです。

人の価値観を受け入れること

「君の常識は、世の中の常識じゃないよね?」

自分でもこんな言葉が口から出たのにはびっくりした。

 

価値観、育った環境が違う人達が真剣勝負をすることが、私は仕事だと思っている。

だからこそ、相容れない考えをもっている人とも出会う。納得いかないこともある。一緒に過ごしたくないのに、なぜか時間をともにしなければならないこともある。

 

「あの人の価値観は『違うと思う』」と思うのは自由だが、もう一度よく考えてほしい。

 

自分の経験を書こう。

僕は20歳から21歳までスペインに住んでいた。そのとき、多くの価値観の違う人々と出会った。まだ若かったせいか、食って掛かったり、無視したりすることもあった。

ある時気がついたのは、僕の常識が彼らの常識でないことである。

元を返すと、私が彼らの世界に飛び込んだのだから、私が彼らのルールに従うほうが波は立たない。波を立てないことがポイントではなく、彼らの考え方を冷静に理解するというのが鍵である。そこに暮らす人々、その人個人のひととなりを理解してこそ、新しい世界をみることになるのだ。

 

福沢諭吉の時代から日本人は世界に憧れ、旅をした。人々、国々は平等であるが、差が生まれてしまうのは、学ぶか学ばざるかであると「学問のすすめ」に書いてある。

現在、世界190カ国、われわれは比較的自由に旅ができる。移動することが、以前よりも確実に容易くなったのだ。

 

では今学ぶものはなにか。

多様な価値観が世界に存在するということ、その価値観を自分なりに受け止めることではないか。

「自分の価値観は、こうである!」と主張できることは国際人として必要であるが、それと同時に相手の価値観を受け入れるというのは、建設的な議論をかわしアイデアをふくらませていくのに、非常に重要である。

 

自分の意見をもつということについては、また筆をとりたい。

とにかく、人の価値観を素直に受け止めるというのは、仕事で成長していく上で極めて大切である。