凛として

小迫正実(Masami Kosako)個人のブログです。

「her 世界でひとつの彼女」を観て考えたこと

公開初日に、スパイクジョーンズの映画「her 世界でひとつの彼女」を観て来ました。

 
映画のテーマは、人工知能を有したOSが開発され、スケジュール管理だけでなく、文章の構成やメールの返信を行い、話し相手にまでなってくれる優れもの。
主人公は、そのOSに恋してしまうというものです。
 

 
OSの進化というと、iPhoneやMacBookは確実なアップデートを繰り返していますね。アップデートしなくても、日々の生活に支障はありませんが、デバイスとうまく付き合えば新しいOSのほうが効率性はあがりますね。(生産性があがるかは不明。)
 
スパイクジョーンズの映画と身近なOSを通して考えたのは、人間の仕事の行き着く先は創造性と物質性であるということです。
デジタルがどんなに進化しても、住む家は必要ですし、食べるものも摂取しなければなりません。(ぼくは両方楽しみたいです^_^)。着るものも機能性の追求だけではなくて、美しいもののほうが感覚が研ぎ澄まされて好きです。
結局のところ、物質的なものを作り出すには創造力が不可欠で、それらをパソコンに任せるわけにはいかないと考えています。
もちろん、過去のデータベースを参考にして、安藤忠雄のような家を設計したり、ヨックモックのようなクッキーを再現したりできるようになるでしょう。しかし、それが人間の感覚を豊かにするかといわれると、私は別だと思ってしまいます。
私たちは、新しいデザインや新しい味、新しい感覚をcoolだと感じます。逆に懐かしいデザインや懐かしい味、懐かしい感覚は落ち着きをもたらしてくれます。
OSはそれを記録したり、管理するものであり、自発的な提案というのは、なんだかピンときませんが、いずれはOSが人間の創造力を超える日が来るのかもしれません。
 
結論は出ませんが、ヒントになることはエリック・シュミット著の「第五の権力---Googleには見えている未来」に書いてありますね。
私もまだ読みかけなので、その話はまた別で。