凛として

小迫正実(Masami Kosako)個人のブログです。

映画「グレース オブ モナコ」を見て、転職のことを考えた

映画グレース オブ モナコを見てきました。


映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』予告編 - YouTube


グレース公妃について、wikipediaを参照すると下記のように書いてあります。
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同時代の女優マリリン・モンローの明るさとセクシーさを前面に出した美貌とは対照的な、気品に満ちたそれが「クール・ビューティー」(cool beauty)と賛美された。人気絶頂の最中、ヨーロッパの君主と結婚し女優業から引退した。
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アメリカから海を渡り、ヨーロッパ独立国モナコの公妃となったグレース・ケリーが、文化の違いや国とのいざこざ、夫婦関係に悩みながら自分の役目をまっとうしていく映画でした。
冒頭に、事実に基づいたフィクション、との但し書きがありましたので、どこまで本当かわかりません。
ただ、文化の違いや自分の役割をまっとうするストーリーについて、自分が転職してからの環境に似た部分があり、とても勉強になったので、ポイントを書いていきます。ポイントは、文化の違いを克服すること、ピンチのときは待ちという判断をすること、メンターを持つこと、です。

 

1. アメリカはこうだ!前の文化圏ではこうだった!という主張を克服すること

グレース(そう呼ばせてください)は、世界で一番華やかな結婚式をおこなったのち、君主の妻として多くの社交界に顔を出すも、自分の意見を主張しすぎて、君主から怒られてしまいます。「ここはモナコだ!」と君主に言われてしまいます。
悩みに悩み、自分とは何かを考えた末(神父さんの助けを借りながら)、モナコ公妃としての役目を果たすべく、モナコの歴史、皇族としての振る舞いや話し方のため、2ヶ月ほど猛特訓をします。そして、特訓の成果が映画のクライマックスに現れます。

この流れをみて自分の身と重なったのは、「前の職場ではこうだった!これが正しい!」という主張はだれも聞いてはくれない。新しい会社の風土がどんなもので、他の社員がどのような背景で仕事をしているかを理解しなければならない。そしてそれを「仲間」に伝える努力をしなければならない。そうやって、周りからの信頼を集め、仕事を振ってもらえるのだと感じました。


2. 決断には時間がかかり、ときに待つことも重要だということ

1960年台のモナコは、フランスのド・ゴール、スペインのフランコと隣合わせで非常に難しい状況下にあったようです。モナコとして、やりたいことがあっても隣国の不利益になってしまうので、身動きがとれないという状況が映画の中で多々ありました。映画では、最終的にグレースの行動がすべてのきっかけとなるのですが、君主はグレースの行いを指を加えてみるばかりでした(もちろん、いろんなことをされていたのでしょうけど)。

ここでは自分を君主の立場に置き換えて考えてみました。新しい職場では、人間関係や関係部署がいまいちつかめてなく、次の決定打が打てない場合があります。決めたいのに、決めきれない。ここで失敗すると、転職してきたばかりなのに信頼が地の底に!なんてこともあるかもしれません。そのときは、待ちましょう。誰かが助けれくれます。待つ、というのはなにもしないということではなく、意思決定を先延ばしにして、頼りになる人を探す努力をしましょう。きっと近くで見守っている人がいるはずです。


3. 環境が変わった時こそ、メンターが必要だということ

グレースと君主のメンターは、バチカンから派遣された神父さんでした。神父さんは、政治的な立ち位置をある程度ぼかして話をすることができるので、中立的立場からコメントすることができます。ときには話を整理してくれます。環境が変われば人は不安になる、そんな時に頼りにできるメンターがいるという非常に欧米らしい考えだと思いました。

転職前後で、人は悩みます。私は幸運にも仕事上のメンターが2人もいました(2人いていいものかわかりませんが)。転職して2ヶ月ほど経った頃、「前の職場がいかにいいところだったか」を思い知ることがあり、それをメンターに伝えました。するとメンターは「それは、転職したからこそ知れたことだから、転職してよかったじゃないか」というコメントをくれました。不安に思っている時、ちょっとした言葉で人の心は軽くなります。メンターは探すものではなく、出会うものだと思っていますが、その存在が必要だということをまずは心にとめることが大切です。

 

最後に

一本の映画とみて、転職に関することを3つ書いてみました。文化の違いの克服、決断、メンター。
今後、社会人として生きていく上で、この3つを大切にして精進します。