新卒時代の後輩が、ある雑誌社のインタビュー企画で、鼎談相手のひとりに私を選んでくれました。鼎談のテーマは、身につけるべきスキルについて。
鼎談のために、スキルについて考えてみました。
身につけるべき、という表現はおこがましいと思いつつも、「新しいことを覚えるスキル」は便利だと感じていたので、それがどういうスキルなのかを調べました。
すると、スキルには3つの種類があり、私が言いたかったスキルはメタスキルということもわかりました。
3種類のスキル
- ハードスキル
- ソフトスキル
- メタスキル
ハードスキルは、業界知識や専門知識。統計学や経済学、ファイナンスなどの体系だった知識のほかに、MBAなどの資格によって得られるスキルもハードスキルです。
ソフトスキルは、コミュニケーション力、リーダーシップ、交渉力などです。分析力や問題解決能力もソフトスキルに分類されます。
そして、メタスキル。これは「スキルを使いこなすスキル」と定義されています。
(参照:https://www.pmaj.or.jp/online/1010/hitokoto.html)
スキルを使いこなすスキルという表現がちょっとピンとこないので、英語で調べてみました。
Meta skills are general and reusable skills which either apply broadly to a wide set of problems, or help you acquire other more specific skills.
(参照:https://www.quora.com/What-are-meta-skills)
ここで定義されている"help you acquire other more specific skills" という表現が一番しっくり来ました。
ちなみに、メタスキルを身に着けたと感じた時期をよく覚えています。
IT企業で働きながらオンライン大学院を続けていた日々を終えて、仕事も配置転換で少し余裕がある時期に、上司とよく今後の事業戦略について話していました。
そのとき突然、人の話している内容が構造的に聞こえるようになり、なにか新しいことを調べて自分の中にインプットするスピードが早くなりました。
自分の中で、メタスキルを身に着けたなぁという感覚がありました(当時はメタスキルという言葉は知らない)。このとき、考えることがめちゃくちゃ楽しくて、考える必要のないことまで無駄に考えていました。
ただメタスキルが身につくまでに時間がかかった印象もあります。
身につけることができた要因を考えてみると、
- 大学院での多読
- 大学院での毎週のレポート
- 仕事での要件や設計を考え、文字にまとめること
- 仕事での関係部署や上司、社外のパートナーとの折衝
これらを3年間真剣に続けた結果、テーマに対して、課題を構造化し優先順位をつけて取り組む、ということができるようなりました。
もちろん、自分よりスキルの習得が早く、話を構造化できる人はたくさんいます。ただ、自分の中でそれができるようになってから、仕事がより一層楽しくなりました。
大学院卒(Master持ち)の人が社会に出て、業務に対する理解や知見が深い理由は、修論を書くにあたってきちんと「修行」をして、メタスキルを身につける土台を持っているからだろうなぁと今は思います。
話を冒頭に戻して、身につけるべきはメタスキル(Skills that help you acquire other more specific skills)なのかと問われると難しいなぁとも思いました。
何かしらの形で「修行」が必要だからです。修行には「師」も必要で、だれしもがその環境にいられるわけでもありません。
じゃあどんなスキルが必要かというと、自分に適した「修行」場所を選ぶスキルなのかもしれません。でもその場所を選ぶスキルも、小さい頃からの積み重ねのメタスキルですね・・・。
結論はないですが、メタスキルを得てから、仕事と人生が楽しいです(もともと楽しかったけど)。